【暗騒音の噺1】暗騒音に隠れているもの

【ワンポイント録音の噺:2】からの続き)

 

 


 

つる:きささん、あの、超高速アース要石25の説明に…
 
要石シリーズは様々な方向のノイズを押さえることで、静寂を表現することができます。聞こえなくなった暗騒音や、空間の拡がりと実体感を感じさせてくれます。
精緻な分解能なのに、自然な滑らかさがあり、従来は相反すると思われていたこれらを両立させます。
2chのステレオでこのような広がりが、奥行きが、高さが…といったような、昔から噂に聞いていたことが現実になります。
 
   とありますが、この暗騒音って
   「ノイズがなくなって初めて出てくる微かな音」
   ですよね。
   「聞こえない方が良い音」
   ではないんですか?
 
きさ:暗騒音は
   Ge3チューンすればするほど
   出てくるモンやねん。
 
つる:それは…
   よりリアルな音場を形成するために
   必要な情報ってことですよね…?
   「暗騒音」って
   何なんでしょう…?
 
きさ:「必要?」と聞かれれば
   そうとは限らないと思うけど…
 
   ん〜…どう言えばいいかなぁ?
   「暗騒音」っていうのはつまり
   「普段気にならない音」やねん。
 
   静かになればなるほど、
   だんだん気になってくる音…
   コンサートの空調設備の音とかね。
 
   今まではいろんなものに邪魔されて
   暗騒音がでてこなかったわけ。
   それはひとえにSPの再生能力が
   足りないことに尽きるねんけど。
 
   そういう完璧じゃない装置の音でも、
   録音されたその場の
   「リアル」を形成する
   一つの情報やと考えてるねん。
 
つる:ああ…パズルのピースみたいなかんじですか?
   演奏者が演奏する音楽も、
   演奏者が椅子を引いたり呼吸したり
   空調の音だったりっていう
   色んな雑音も、ぜ〜〜〜んぶ含めて
   1つの「リアル」っていう立体の絵。
 
   だけど、
   そのピースとなる情報が1つずつ欠けると
   1つずつ「リアル」から遠のいていく…のかな?
   …暗騒音も1つの必要なピースだってことですか?
 
きさ:せやね。
   だから、要石25をつけると
   今までリアルに感じてた歌い手の顔が実は、
   後ろが薄っぺらいお面みたいに凹んだ音像だった…
   みたいなことが起こると思ってるわけ。
 
つる:ああ〜…よく言うてらっしゃる、アレですね。
   暗騒音が出てくると、
   より音源の情報がはっきりとしてくるから
   足りないピースも見えてくる…
 
きさ:うん。
   誰も知らんことを言っているから、
   誰にも通じひんのやと思ってる。
 
つる:だれも経験したことないと、
   そんなのが「ある」って知りようがないですもんね…
   特に「今の音で、満足」と感じてたら、
   まだ「その先」があるだなんて思いもしないです(苦笑)
 
きさ:うん。
   だからこないだ話した
   「クロックを良くする」っていうのは
   ある程度のラインまでの精度が揃えば後は無意味…
   何処の誰にあわせてるの?
   って事になる。
 
   今のAudio界は
   精度という数値を競い合っているだけ。
 
   音楽の気持ち良さと、
   その精度との関わりはどないやねん?
   音楽の質としては、
   それはどうなんやろか?
 
   質に精度は含まれていると思うけど、
   精度は質を表現できない。
 
つる:(頷)
 
きさ:再生できるモノ、再生できないモノ。
 
   Ge3が再生したいモノは「リアル」やねん。
   演奏されたその場「そのもの」やねん。
 
   その情報の多くは
   位相情報として記録されているんじゃないか…
 
   それにはワンポイント録音じゃないと
   録音できひんと思う訳。
 
つる:以前のAudioサイトトップにあった文句ですね。
   「演奏者の呼吸の妙や、飛び散る汗まで見える」
   Ge3のリアルってそこまで指すよ、と。
 
きさ:そのリアルに含まれるのがね…
   ええと、しょうこねえさんの歌、きいたことある?
 
つる:しょうこねえさんって…
   「おかあさんといっしょ」の、
   「うたのおねえさん」ですか?
 
きさ:そうそう。
   しょうこ姉さんは何でか知らんけど
   歌う度に出てくる…「降りてくる」ねん。
 
   Ge3で再生したいと思うモノが降りてくる。
 
つる:…ああ…
   あの、上の方がパッコーン!って開く感じのことですか?
 
きさ:そうそう。それそれ。
   つるちゃんはよくそういう言い方するよね。
   きっと人によって感じ方が違うんやとおもうけど、
   とにかくなんか、
   上の方でグルグルまわるモンが、降りてくるねん。
 
   超!有名な…歌手が
   今日のコンサートはノリが良かった!
   上と繋がって…何か降りてきたね〜…
   って言うたりしてるやろ?
 
   「こいう時は疲れない」
   「こういうときは滅多にないよ!」
   「こんなタイミングでみんな聴きにこれて良かったね!」
   …とか言うてるやろ。
 
   でも、毎回「降りてくる」人が居るねん。
   それがしょうこ姉さん。
 
つる:………子どもはそれ、わかるんですかね〜…。
 
きさ:かもね。
   それに、仕事で毎日「降ろす」人も居るねん。
 
つる:神社の雅楽の人とか?
 
きさ:巫女さんとかね。
   …せやのになんで毎回降りてこない人が居るんやろ?
   その違いが何なのか…
   質なのか、スイッチなのか…わからん。
 
   わからんねんけど…それの有無を
   ウチは出せるようになってきたんやと思う。
   時々やけどね。
 
つる:倶楽部員以上の機器を、Ge3チューンすれば…?
 
きさ:(頷)
 
つる:…暗騒音にはそういう「情報」も
   含まれてることもある?
 
きさ:騒音だと思ってたものが、
   実は重要な情報だったと気づく訳。
 
   Ge3はもうずっと、
   それを再生したいと思ってるねん。
   要石25を使うと、
   ちゃんと作っている普通のSPでも
   その辺が出てくるってこと。
 
   やっとここまで来たんちゃうかなぁ・・・と思う。
 
   そもそも音楽というモノが
   何をひっぱてくるモノか、っちゅう事やな。
 
   いよいよカスじゃない世界に入ってきたね(ニヤリ)。
 
 
(【暗騒音の噺:2】に続く)