つる:きささん、あの、超高速アース要石25の説明に…
要石シリーズは様々な方向のノイズを押さえることで、静寂を表現することができます。聞こえなくなった暗騒音や、空間の拡がりと実体感を感じさせてくれます。
精緻な分解能なのに、自然な滑らかさがあり、従来は相反すると思われていたこれらを両立させます。
2chのステレオでこのような広がりが、奥行きが、高さが…といったような、昔から噂に聞いていたことが現実になります。
とありますが、この暗騒音って
「ノイズがなくなって初めて出てくる微かな音」
ですよね。
「聞こえない方が良い音」
ではないんですか?
きさ:暗騒音は
Ge3チューンすればするほど
出てくるモンやねん。
つる:それは…
よりリアルな音場を形成するために
必要な情報ってことですよね…?
「暗騒音」って
何なんでしょう…?
きさ:「必要?」と聞かれれば
そうとは限らないと思うけど…
ん〜…どう言えばいいかなぁ?
「暗騒音」っていうのはつまり
「普段気にならない音」やねん。
静かになればなるほど、
だんだん気になってくる音…
コンサートの空調設備の音とかね。
今まではいろんなものに邪魔されて
暗騒音がでてこなかったわけ。
それはひとえにSPの再生能力が
足りないことに尽きるねんけど。
そういう完璧じゃない装置の音でも、
録音されたその場の
「リアル」を形成する
一つの情報やと考えてるねん。
つる:ああ…パズルのピースみたいなかんじですか?
演奏者が演奏する音楽も、
演奏者が椅子を引いたり呼吸したり
空調の音だったりっていう
色んな雑音も、ぜ〜〜〜んぶ含めて
1つの「リアル」っていう立体の絵。
だけど、
そのピースとなる情報が1つずつ欠けると
1つずつ「リアル」から遠のいていく…のかな?
…暗騒音も1つの必要なピースだってことですか?
きさ:せやね。
だから、要石25をつけると
今までリアルに感じてた歌い手の顔が実は、
後ろが薄っぺらいお面みたいに凹んだ音像だった…
みたいなことが起こると思ってるわけ。
つる:ああ〜…よく言うてらっしゃる、アレですね。
暗騒音が出てくると、
より音源の情報がはっきりとしてくるから
足りないピースも見えてくる…
きさ:うん。
誰も知らんことを言っているから、
誰にも通じひんのやと思ってる。
つる:だれも経験したことないと、
そんなのが「ある」って知りようがないですもんね…
特に「今の音で、満足」と感じてたら、
まだ「その先」があるだなんて思いもしないです(苦笑)
きさ:うん。
だからこないだ話した
「クロックを良くする」っていうのは
ある程度のラインまでの精度が揃えば後は無意味…
何処の誰にあわせてるの?
って事になる。
今のAudio界は
精度という数値を競い合っているだけ。
音楽の気持ち良さと、
その精度との関わりはどないやねん?
音楽の質としては、
それはどうなんやろか?
質に精度は含まれていると思うけど、
精度は質を表現できない。
つる:(頷)
きさ:再生できるモノ、再生できないモノ。
Ge3が再生したいモノは「リアル」やねん。
演奏されたその場「そのもの」やねん。
その情報の多くは
位相情報として記録されているんじゃないか…
それにはワンポイント録音じゃないと
録音できひんと思う訳。
つる:以前のAudioサイトトップにあった文句ですね。
「演奏者の呼吸の妙や、飛び散る汗まで見える」
Ge3のリアルってそこまで指すよ、と。
きさ:そのリアルに含まれるのがね…
ええと、しょうこねえさんの歌、きいたことある?
つる:しょうこねえさんって…
「おかあさんといっしょ」の、
「うたのおねえさん」ですか?
きさ:そうそう。
しょうこ姉さんは何でか知らんけど
歌う度に出てくる…「降りてくる」ねん。
Ge3で再生したいと思うモノが降りてくる。
つる:…ああ…
あの、上の方がパッコーン!って開く感じのことですか?
きさ:そうそう。それそれ。
つるちゃんはよくそういう言い方するよね。
きっと人によって感じ方が違うんやとおもうけど、
とにかくなんか、
上の方でグルグルまわるモンが、降りてくるねん。
超!有名な…歌手が
今日のコンサートはノリが良かった!
上と繋がって…何か降りてきたね〜…
って言うたりしてるやろ?
「こいう時は疲れない」
「こういうときは滅多にないよ!」
「こんなタイミングでみんな聴きにこれて良かったね!」
…とか言うてるやろ。
でも、毎回「降りてくる」人が居るねん。
それがしょうこ姉さん。
つる:………子どもはそれ、わかるんですかね〜…。
きさ:かもね。
それに、仕事で毎日「降ろす」人も居るねん。
つる:神社の雅楽の人とか?
きさ:巫女さんとかね。
…せやのになんで毎回降りてこない人が居るんやろ?
その違いが何なのか…
質なのか、スイッチなのか…わからん。
わからんねんけど…それの有無を
ウチは出せるようになってきたんやと思う。
時々やけどね。
つる:倶楽部員以上の機器を、Ge3チューンすれば…?
きさ:(頷)
つる:…暗騒音にはそういう「情報」も
含まれてることもある?
きさ:騒音だと思ってたものが、
実は重要な情報だったと気づく訳。
Ge3はもうずっと、
それを再生したいと思ってるねん。
要石25を使うと、
ちゃんと作っている普通のSPでも
その辺が出てくるってこと。
やっとここまで来たんちゃうかなぁ・・・と思う。
そもそも音楽というモノが
何をひっぱてくるモノか、っちゅう事やな。
いよいよカスじゃない世界に入ってきたね(ニヤリ)。
(【暗騒音の噺:2】に続く)