音楽再生におけるダイナミックレンジ

高能率の必要性

音楽を聴く上で必要な音量って幾らぐらいなんだろう。
その上限と下限をダイナミックレンジと言うのだが、これが確保されていないと、音は伸びのない詰まった妙な感じになってしまう。
ダイナミックレンジとSPの能率の関係を改めて考えなおしてみよう。

音圧レベルの一覧は無いかとサイトを探してみるここにとあった。
この表を見みると下限は0dBになっている。可聴限界だそうだ。判りやすい。(笑)
無人のスタジオはかなり小さな音の様に思えるが数値で見ると20dBになるようだ。
反対に上限は、3mで聞くジェット機の騒音(140dB)なんてのがある。
耳が痛くなるそうだ。 当たり前だ!
幾らなんでもジェット機の騒音を3mでは聞きたかない。
大砲の発射音なんてのも同じで140dBは大きすぎるようだ。

地下鉄の騒音(120dB)は大きい方の可聴限界である。 非常に大きな音のロックのコンサートは110dB。
この辺りが事実上の上限と、考えても良いだろう。

ずいぶん乱暴な決め方だが、ここでは、この 0dBから110dB の音量の幅を、再生に必要なダイナミックレンジと考える事にする。

次に、その音量の幅を再現するに必要なアンプの出力を考えてみることにする。
アンプの出力を考えるには、SPの能率が大きく関係してくる。
最近のSPは総じて能率が低いモノが多く、これは小さい寸法でも低音が出るようにするためだと思われるが...
ここに、能率が84dBのSPを使って入るA氏がいるとする。
A氏はロック好きだ。 ロックのコンサートの音を、迫力を再生したくて110dBの音を出したいと考えたとする。必要なアンプの出力は、次の式で導かれる。
110dB−84dB=26dB
※SPのカタログにある能率というのは1Wの入力で、1m離れて聞いたときの音量を表している。 音は距離の二乗に応じて減衰(拡散)するので、dBの数値は電圧等の倍となる。

26dB、これはアンプのW数に換算すると400倍の400Wが必要だと言うことになる。
※ dBの換算表はここ。
つまり、84dBのSPを使って十分なダイナミックレンジを確保するには、400Wのアンプが必要だと言うことである。
400Wは不可能な出力ではないが、僕には非現実的な数値である。

「そんな大きな音では聞かないよ!」と言う人がいるかも知れないが、平均レベルとダイナミックレンジを混同してはいけない。
もしもCDに含まれている小さな音も大きな音も、全てちゃんと聞きたいのであれば、このダイナミックレンジは必要な数値である。
現在ではCDでも100dB以上、SuperCDになると110dB以上のダイナミックレンジがあるのだから、これはどうしようもない。
レコードの頃だと60dBもあれば充分だったのであるが...
こんなのをまじめに再生すると、現状では即クリップは間違いない。
もしもクリップしていないのだったら、全体のレベルをダウンしているからであって、そうすると、小さな音は聞こえていないと思って間違いない。

最近 私はホーンSPに非常に興味を持っている。理由は能率の高さである。
アメリカの古いメーカでKLIPSCH(クリプシュ)というのがあって、ホーンSPを中心に販売しており、特徴は能率が高いことに尽きる。 低くても92dB以上だ。
例えば、この製品などは、30年以上まえから販売されていて、能率は104dB(爆)これで先ほどと同じ音量を出そうとすると、110dB−104dB=6dB で、必要なアンプのワット数は4Wである。 間違いではない。 たった4Wなのである。
これだと、シングル真空管アンプ1台で、完全に最新のSuperCDのダイナミックレンジを再現できるのである。

いったいこれはどういう事なんだろう?
30年前の方が、きちんとダイナミックレンジを再生できていたとは?
現代のオーディオの方向は、何か間違っているような気がするなぁ...

これは新しいSPで1999年発売だ。
価格はペアーで$800、能率は98dBだ。
これからは頭を切り換えてSPを選択する必要がありそうだ。

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