ツイータの駆動力 音の浸透力 その4

■ ツイータの駆動力

現在のスピーカのツイータはドーム型が全盛だ。
理由には指向性の良さとか色々考えられるが、第一は作りやすさだと思う。

ホーン型の振動板を裸にしただけだから、コストが掛るはずが無いと思うのだが…^^;
 

  DIATONE のコーン型ツイータ

 FOSTEX のホーン型ツイータ

 JBLO のドーム型ツイータ

 

 ELAC のJET型ツイータ

昔から一部のマニアではホーン型のツイータが人気で、良いホーンは高価だ。
良いホーンを作ることは、中々大変でどうしてもコストが掛かってしまう。
しかし、優れたホーン式のツイータには得難い魅力があり、
繊細さと迫力が共存していて、それが実体感になっているような気がする。
空気の制動を有効に利用しているからだろう。

ホーンにしか出せない音が確かにあって、それが根強い人気だと思うが、オーディオ的浸透力が高い。

以前、DIATONE 2S-208を持っていた。NHK仕様の初代のモニタースピーカだが、
その鮮烈な低音と高音に驚いたのを未だに覚えている。

そのツイータは上の写真にあるように普通のコーン式だった。
家にあった古い真空管式のTVをバラして遊んでいた時、
コレと形は違うが同じ型番のツイータが付いていたのを覚えている。
つまり普通のツイータだった訳だ。

新しいスピーカセットでは使われているコトが少なくなったコーン型のツイータだが、
理由もなく我々はコーン型のツイータは低品位だと理由もなく思い込んでいるて、
現在は高品位なコーン・ツイータ少なくなってしまったのは極めて残念だ。

Ge3としては「性能は全然凄いんだ!」と声を大きくして言わなければならないと思う。

 

■  部屋を揺する駆動力

ツイータついて色々考えていると、最近サブウーファーの「部屋とSPの駆動力の関係」で言い出し始めた、
部屋の駆動力に似たものがツイータにもあるコトに気付いた。

部屋を揺する駆動力のGe3値 ツイータ編

124.6pz ホーン型
124.6pz コーン式
124.6pz コーン式
124.3pz JETⅢツィーター
112.3pz ドーム型
 93.6pz 平面型

こうして数値にしてみると圧倒的に有利なのはホーン式とコーン式なのが判る。
振動板の面積と大気に与える事のできるパワー(空気制動)に関係しているのだろう。
そう考えるとDIATONE R305NHKモニターの音が凄かったのも頷ける。

どこかの時点で「我々は間違った情報を刷り込まれてしまった」ようだ。
ユニットの指向特性についても同じで、指向特性は広い方が良いと思い込んでしまっている。
何故「広い方が良い」のかを深く考えたことが無い。

広い場所でのPAシステムなら広い指向特性の利点も理解できるが、
私達が日頃はオーディオを聞いているのは、個人宅の部屋だ。
そこをウロウロしながらでも聞くとしても、均等な再生の必要にコダワル必要はない。

頭を揺すったくらいで音が変わって聞こえるとしたら、それは指向特性が狭過ぎな訳で別の話だ。

■  ホーンとの距離

ホーンスピーカは音が正しい球面波と合成されるのには、ある程度の距離を必要とする。
その距離は普通のホーンの場合、口径の約2倍だ。(これをホーンの焦点距離と考えると判り易い)
口径が10cmだったら20cmで20cm口径だったら40cmだ。
幅が40cmの角型のホーンの場合は、口径が40cmに匹敵するので80cmの距離が必要になる。

つまり最適なリスニングポイントは口径の2倍以上離れる必要がある訳だ。

一時流行ったマルチセルラー式のホーンは必要な距離はどうなるかと云うと…
角ホーンを横に束ねたようなセルラーホーンは約3倍で、
角ホーンを上下左右に束ねたマルチセルラーホーンの場合は、は約4倍のようである。
つまり、それだけの距離が無い部屋での使いこなしは「難しい」ではなく「鳴らない」訳だ。

蜂の巣構造式音響レンズやすだれ状の音響レンズの場合のそれは4倍である。
まとめるとホーン式のツイータの焦点距離次のようになる。一般的に音響レンズは指向特性は良くなるが、鮮度と音像がボヤける気がする。

2倍 ストレート・ホーン
3倍 セルラー・ホーン
4倍 2倍 マルチ・セルラー・ホーン
4倍 音響レンズ方式

 

ホーンスピーカはストレート・ホーンが家庭用としては使い良いのかも知れない。

 

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