オーディオ的浸透力 部屋とSPの関係

 オーディオ的浸透力 部屋とSPの関係 2014/09/10

● 部屋を揺する能力

昔からよく語られる「SPは部屋を揺らすモノだ」とは実に言い得て妙だなと思います。
そこで部屋を揺らすためのいろいろを考えてみました。
すると部屋とSPとの関係が見えてきました。
SPには部屋を揺らせるためのパワーを持っています。
Ge3ではその空間を揺するパワーをSPの
「空間値」と呼ぶことにします。2014/09/14 修正

話を進める上でのサンプルとしてDIATONE P-610 の「空間値」を考えてみます。
DIATONE P-610 を1平米の平面バッフルに付ると、
8平米の部屋の空間を揺することができる「
空間値」を持っているようです。
これを基準値として考えることにします。

つまり、DIATONE P-610は1平米の平面バッフルに取り付けた場合、8平米の部屋に適合します。
これを「エネルギー値が8sp(Space Power)」と呼ぶことにします。

 

平面バッフル  エネルギー値=37.2sp

● 箱の仕組みの違いによる係数

空間値」はユニットの能力に基づく数値ですが、組み合わせる箱の大きさや仕組みによっても大きく変わります。
これは、「箱の表面積」と「空気に振動を空中に伝える性能」に関係するようでヤヤコシイです。
ユニットには指定箱というモノがありますが、指定の密閉箱に入れた場合の「空間値」は平面バッフルと同じ性能で、つまり1倍です。
同じ大きさの箱でもバスレフになると、「空間値」は約 1.1倍になります。
バックロード・ホーンに入れると効率が良くなるようで 2.6倍位になります。
逆ホーンも同じく 2.6倍で、フロント・ロード・ホーンも同じ 2.6倍です。
興味深いのは、アコースティック・サスペンション(AS)も 2.6倍なのです。
どうやら空気への振動が上手く伝わると 2.6倍になるようです。
ユニットを2つ使うとその2倍の 5.2倍です。
単純にユニットの個数分増える訳です。
サブウーファーで良くある方式のように内部や裏方で働いているユニットも足し算で計算できます。
この理屈で考えると…
DIATONE P-610を逆ホーンに入れると
8x2.6spと20.8平米の空間は揺らせるコトが出来る訳です。

● 空間を揺する「空間値」の係数と音のGe3値

空間値 Ge3値

1.0 116.2pz 平面バッフル
1.0 117.3pz 密閉箱
1.1 113.8pz バスレフ
2.6 114.6pz バックロード・ホーン
2.6 118.3pz フロント・ロード・ホーン
2.6 122.9pz 逆ホーン
2.6 122.3pz アコースティック・サスペンション ※

※ ASは理想的ASに限ります。

これを見ると音質的には逆ホーンのGe3値が一番高く、ASは2番目です。
オリジナル・ノーチラスの作者の先見性が良く判ると共に、
アコースティック・サスペンションの開発者の才能も凄いですね。

 

逆ホーン   エネルギー値=53.3sp

 

バックロード ホーン   エネルギー値=53.9sp

 

アコースティック サスペンション   エネルギー値=50.9sp

 

よくあるフルレンジのユニットの「エネルギー値」を調べてみました。

 8.2sp  FOSTEX FE83En
15.8sp  FOSTEX FE 166En
13.9sp  FOSTEX FE-167E
15.9sp  FOSTEX FE168EΣ
16.4sp  FOSTEX FE208EΣ
15.3sp  JBL LE8T 
15.8sp  AUDIO NIRVANA Super6.5 Alnico
15.8sp  AUDIO NIRVANA Super6.5 Cast Frame
15.8sp  DAYTON AUDIO PS180-8
16.0sp  DAYTON-PS220-8
15.8sp  MarkAudio Alpair 12v2
16.0sp  Feastrex Nf-5e 

この「エネルギー値」はユニットだけではなく
SPシステムやサブウーファーについても同じ理屈が使えます。

何か迫力が足りないとか、高域や低域と言う訳でもなく、
上手く説明ができない場面などで、
この「エネルギー値」を調べると問題が解決できるかも…です。

※写真下のエネルギー値は写真のSPの値です。

 

オーディオ的浸透力 部屋とSPの関係」への2件のフィードバック

  1. >何か迫力が足りないとか、高域や低域と言う訳でもなく、
    >上手く説明ができない場面などで、
    >この「エネルギー値」を調べると問題が解決できるかも…です。

    綺麗な音なんだけれど迫力が足りない、と感じる場合に「エネルギー値が小さい」
    というように使えそうですね。有りそうで無かった指標です。
    私のSPの音は、まさにこれで、エネルギー値が不足していますw。

    ノーチラスって逆ホーンの一種だったのですねw。

  2. >私のSPの音は、まさにこれで、エネルギー値が不足していますw。

    良質のサブウーファーで解消できますよ。

    >ノーチラスって逆ホーンの一種だったのですねw。
    僕にとっては逆ホーンのご先祖様です。 m(_ _)m

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