オーディオ的浸透力の話 その1
「再生装置のオーディオ的な浸透力が高いほど、
部屋やSPの位置、置く場所や置き方、そして、聞く場所も些細な問題である」とは云うものの、
では、どうすれば装置の浸透力を高められるのか?
そこが大きな問題だ。
そこのところをGe3的に掘り下げてみた。
先ずは音の発生源から考えてみると…
A. SPの改造
1.SPの振動板を強化しよう。 \(^-^)/
殆どのスピーカはコーンを震度することで音となる。
コーンは入力された信号に対して正しく空気にその振動を伝えなければならない。
では、コーンは振動を正しく空気に伝えることは出来ているのだろうか?
そこから考えることにする。
現在もコーンの材料は紙が圧倒的に多い。
紙は一般的に思われているように、基本的に柔らかく強度が低いモノである。
だから、紙で家を作ったりする建築家がいるとビックリされる訳だ。
しかし、紙は木から作られ、家の多くは木で建てられる。
適切に使えば紙で家を作っても別に問題は無い。
当然、コーンに使っても良い訳だが、問題なのは最大に力が掛かった時の強度が不足することである。
比較的低い周波数に対しては、まぁ必要な強度はあると思われるが、
高い周波数に対しては、とても充分だとは言えない。
これは通常の意見とは真逆に聞こえるかもしれないが、紙のコーンでインパルス性の強い音の再生は難しい。
雷や大太鼓の音あどだ。これらインパルス成分の多い音は高域成分が多く、この再生が難しい訳だ。
分割振動を悪いと言っているのでは無い。
分割振動でも何でも良いから、正しく振動の形を空気中に伝えることが出来ればそれで良いのだ。
そのためには「適切な強度が必要なんじゃないの!?」と言っているだけのコトである。
振動板の強度を無闇に増やしても、重くなって悪くなるだけだ。
重くなって動かせなくては、振動すること自体が難しくなっては、何の意味も無い。
必要な強度は周波数によって異なるようなので、周波数に応じて可変出来ると普通の補強よりも軽量にできるかも知れない。
そんな都合の良い方法をず〜と考えていて思いついたのが、「黒アゲハ」だる。
詳細な解説は省くが
「黒アゲハ」は貼った所を補強する訳だが、その強さを周波数に応じて可変できる構造になっている。
それ故に「黒アゲハ」を仮想的補強と呼んでいたのである。
黒アゲハを発売した当初は、
「コーンに何かを貼れば重さが増えて低域は増えるよ。
ガムテープを貼っても変わるよ」みたいな批判を沢山聞かせられた。
実際にガムテープを貼って実験して投稿する者まで現れた。
また「10円玉をウーファに貼るのが昔、流行ったよ」と言う者も多かった。
つまり周波数との共振を利用した商品と勘違いしたのだと思う。
見かけからは、そのように思われても仕方がない外見をしているが、
「黒アゲハ」の高い効果は、多くのユーザに認められることとなり、現在も販売が続いている訳だ。
バージョンアップが多い、Ge3の中にあって、正味寿命の永い製品である。
コーン紙に何かを直接貼るなんて乱暴なアクセサリーは少ないので、試してくれたユーザさん達の勇気には感謝のみですw。
2.低域が伸びると高域も伸びる。 \(^-^)/
「黒アゲハ」の目的は低音の強化にあった訳だが、低域を伸ばすと高域も伸びるという面白い現象が起こってきた。
この手の現象は、昔からよく聞いた話ではあるが、「黒アゲハ」でも起こる現象だとは思ってもいなかったので、本当に驚いた。
「スーパーツイータを付けると起こる物理的な現象だと思っていたモノが、振動板を補強すると似たようなコトが起こったのだ。
ツイータ用の補強材の「琴引」を使っても似たコトが起こる。
「高域がリアルになると低域はよりリアルに聞こえる」がソレだ。
黒アゲハや琴引が目指している所は「低域や高域が拡張される」のとは少し違って「よりリアルになる」方向なのだが「低域の性能の向上は高域の拡張をもたらし高域の性能の向上は低域の伸張に繋がる」訳だ。昔から言われてきたコトがそのまま当てはまるのである。
コーン紙には黒アゲハを貼るべし
カーボンでハニカム構造にしてコーンを強化しているウーファの中には強度が十分で黒アゲハ必要としないモノも稀ではあるが存在している。
軽さやコストダウンの為にカーボンを使っている製品は、強度が足りない。この手のウーファーはたとえカーボン使用していても意味は無い。
強度が足りないユニットには、紙でも樹脂、アルミでも「黒アゲハ」貼るしか無い。
高価なSPだとこの辺りの挑戦が及び腰になってしまう。
価格とは、そういう意味で価値への足かせだに働くのは、嫌味な話だ。
■ 黒アゲハ ユーザさんの施工例の写真 ^^;
ユニットだけで製品が判りますか?
懐かしいSPもありますし…
驚愕のユニットもあったりして…
■ 琴引 ユーザさんの施工例の写真