市野式電源タップを聴く merou@神奈川さん

■ 市野式電源タップを聴く merou@神奈川さん

実は市野式のアイテムを聴くのは今回が初めてでした。
話題になっていたのを横目で見て気にはなっていましたが他に入用が多く見送っていました。
諸々が一段落したところでタイミング良くお試し用タップのスケジュールが空いたとのことで今回視聴させて頂きましたのでそのインプレッションです。

以前に某雑誌で電源タップの集中試聴ということで10種類以上の製品を一気に比較する機会がありました。
この時感じたのは「システム全体にかなり影響が大きい」という事と「思い込みかもしれないけれど材質や構造である程度傾向がある」という点です。
これを踏まえての今回の市野式電源タップの特徴は木のブロックを彫り込んで作られたケース、測定器で測った重量はそれほど重くありませんが手に持った質感はかなり重厚です。
Ge3の製品で言うと大地のようなイメージでサイズは小さいのに受ける印象はまるで大木のような存在感です。

振動を閉じ込めないためでしょうか、上蓋は固定されず自由に開くようになっています。
中を覗いてみても丁寧に作りこまれている事はわかりますが特別な仕掛けは見受けられません、しっかりした線とパーツでしっかり作られている「だけ」です。
物理的な外見だけでは何か秘密のような「ここが凄い!」とアピールするようなポイントがないのです。
一般的なオーディオメーカーの製品だったら宣伝に苦労しそうです。

比較対象の常用しているタップはS社の金属製シャーシオーディオ用で、手頃な価格の割にはノイズ感が少なく美音調で嫌な音を出さない点で使っていた物。
電源ケーブルも同様の点で評価しているジャーマンフィジックス製、手に入れた物は比較的長く使う主義なのでかれこれ10年以上は使っているでしょうか。
各種アンプ、NAS、プレイヤーまで一括供給していたのでそっくり差し替えてみました。

まずは電源ケーブルを差し込む時の食付きのしっかり感にビックリ、医療用コンセントなども使ってみた事がありましたがこれほどホールド力が強いインレットは初めてです。
以前某アクセサリーメーカーから電源ケーブルをしっかり固定するベルトなどが発売されていて一定の効果があって、電源は意外と振動している事がわかってはいましたがこれだけしっかり固定されると安心感があります。

比較用にそれまで視聴していたテスト用音源を一通り聴いてみて一番感じたのはエネルギー感の密度、音量でもスピード感でもなく音楽が届く圧力が間違いなく強くなっています。
もう少し分析すると音のダイナミズムのコントラスト、音の強弱や濃淡がよりエンハンスされて迫ってきます。
CSEやアキュフェーズの電源を作り直すタイプの製品ではこういう傾向を聴いた事がありますが、回路を持たない電源タップでこんなエネルギーを感じたのはカイザーサウンドのナイアガラぐらいでしょうか。
直接比較ではないので記憶での評価になりますが、市野式の方が音の肌理や適度な温度感、音場の奥行きの広さについては好ましく感じました。

● ナイアガラ カイザーサウンド

スピード感や音数、S/Nなどのいわゆる従来のオーディオ評価言語?ではなかなか表現しにくい「音の表情や演奏に込めた想い」を伝える力が尋常ではなく強い製品です。
ということでイメージでの比較になりますが、ナイアガラはアスリート的な強さを持ちます、そのパワー感はやはり凄いですし誰が聴いても驚く強さを持っています。
それに対し市野式は武道の達人のイメージで、普段の動作は静かで美しく外に向かって威圧するようなエネルギーは出さず自然体です。
しかし内包する氣や必要な時に出されるエネルギーは常人の域ではなくその振れ幅、懐の深さがこのタップの最大の特徴と感じました。
音楽のタメやノリの違いは、普通のタップが練習会での観客がいない時の音とすれば市野式はコンサート本番で雰囲気も盛り上がった最高潮、とすれば少しは伝わるでしょうか。

と、ここまで書いて「あ、Ge3が目指す方向と同じに向いてるわけだ」と妙に納得してしまいました、それは相性が良いわけです(笑)

そしてこれはうちのシステムがGe3製品が多いからかもしれませんが、Ge3で言われるトレーニング期間がほぼなく接続した直後から良い音が出ていました。
もちろん時間が経つに連れて機械も人も馴染んでくる部分はあるので落ち着くまでに一週間ぐらいはかかりましたが、Ge3製品を試す時に良くある2,3日は音楽を聴けたものではない(笑)現象が出なかったのはありがたかったです。
この適度な温度感や馴染みの良さは、製作者がそのまま伝わっている部分かもしれません。

わかりやすい特徴や刺激的な部分はないのでオーディオ的?快感を目指す人には良さが伝わりにくい製品かもしれませんが、システムの根幹を成す電源タップでこれほど自然に健康的に他の機械をサポートしてくれる製品は他に聞いた事がありません。
下手な使い方をしない限り、もしかしたら人間よりも寿命が長そうな製品としては納得のいく価格ではないでしょうか。
決して古い物だけが良いとは思いませんが、どうしてもこのタップを見たり聴いたりしていて浮かんでくるイメージは年代物のワインやウィスキー、絵画、名器と言われる楽器などの静かだけど重さを持ったものです。
そしてあくまで血の通った健康的、演奏が持つエネルギーをストレートに伝えるバランスの良さです。
その自然さを一番感じたのは、プロ野球のライブ放送を見ていて席を離れて後ろを向いていた時に打者が打った音に思わず振り向いてしまった時です。
久しく球場には足を運んでいないのですが、その音は本当にリアルで歓声やアナウンスの声も含めて現場そのものの雰囲気でした。
音楽で言えば、エフェクトなどが少ないライブ音源などでこのタップの特徴が特に活きると改めて感じました。

久しぶりに、凄く表現に悩んだインプレッションです(いつも悩んではいるのですが)
良いもの、というベクトルに間違いはないのですがどう伝えて良いものか電源タップでは聴いた事がない変化なので言葉に迷いました。
合う合わないはともかく、一度聴いてみる価値はある製品です。

間違いのない事実は、個人的欲しい物リストのかなり上位にきてしまった事です(笑)
外すのが怖いのでそのままつなぎっぱなしになっています。。。

● 比較に使用したタップ

きさ@Ge3です。 
この「市野式タップ」の凄さをどう表現したものか、実は僕も悩んでいました。
でも、この文章で完璧ですw。m(_ _)m

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