■ Ge3のケーブルについて
Ge3のケーブルについての、コダワリや素材の話です。
Ge3ではケーブルの柔軟性は重要なポイントだと考えています。
硬いモノより柔らかいモノの方が振動し難いからです。
縄跳びを想像してみてください。
フニュフニャの紐だと回すことも出来ないのと同じです。
Ge3でも偶に硬いケーブルも作るコトはありますが、
それは振動対策に出来る自信があるからの話です。^^;
基本、ケーブルは柔しなやかな方が確実に振動の少なものに仕上がります。
● 芯線とシールド
一般的にオーディオ・ケーブルは下の写真のようなシールドケーブルを芯線に使用しますが、Ge3はメッキなしの単線を好んで使います。
理由は、その方が開放的で明るく音が響く気がするからです。
シールドケーブルを使うと、拘束された感じの音に聞こえる気がするのです。
まぁ、勝手な思い込みなのかもしれませが… ^^;
◆ シールドケーブルの例
◆ 単線の例
Ge3では特別な理由のある場合を除いて、ケーブル作りにはシールド線を使いません。
音の良い単線を探して「より開放感ある、明るいケーブルが出来ないかなぁ…」と、常に考えている訳です。
ある意味、病気に近いですね。
しかし、シールドが必要な場合もあります。
その時は、金属メッシュでオリジナルのシールドを作ろうとします。
シールドは使い方次第で音の傾向が大きく変わるからです。
でも、インピーダンスの精度が要求される場合は、この手法は使えないので、
シールド・ケーブルを使わざるを得ません。
でも、出来るだけ音の良いモノを探して作成しています。
もしも、見つからない場合はGe3では作る必要がないの作りません。
◆ Ge3のケーブルの方向性について
ケーブルが使い方の方向を変えると音が変わるモノがあり、
その差は意外と大きな差だと思います。
しかし、どう使うかは、完全に好みの問題で、決まった使い方はありません。
Ge3のケーブルには写真の様な布製のGe3のタグが付いている場合があり、
タグが下流を示しています。
◆ シールド構造による音の違い
上流側をアース | 締まった感じ/暗い/冷たい |
下流側をアース | 開放的/陽気/明るい |
両側をアース | おとなしい音/冷静 |
これがGe3が意識しているケーブルの方向性による音の違いの傾向です。
シールドケーブルを使うと、その差は出難くくなります。
Ge3がシールドケーブルを使わない理由の一つです。
◆ Ge3的好みの傾向
Ge3のの求める音の傾向は、繊細で上品、それでいてスピード感がある音です。
ボヨンボヨンとした膨らんだ音は苦手です。
砂漠を疾走するロケット・カーではなく、成層圏を飛ぶジェット機のイメージです。
ドロドロとした人間くさい、迫力満点な音も得意ではありません。
暖色系よりも、寒色系の音が好みです。
この音が「貧相、細い、高域が強い」と思われる場合が多いってのも知っていますが、この傾向の音が好みですね。
そのような好みの傾向からなのか、芯線の素材としては銀かアルミを多用しています。
銀線も銀メッキでは無く、純銀線を使いますが、アルミ線は銅メッキ線を使っています。
これは半田の使い勝手が良いのが理由です。
銀の使用率が高いので「銀蛇」という名で素性を誇示している訳です。^^;
「冷たい/明るい」などの感覚は、感覚なので、どう感じるかは人それぞれです。
同じ部屋で聞いたとしても、違って聞こえているのが普通だと思った方が良いでしょう。
要は耳から入ったら脳内の世界です。
自分だけの世界なのです。
● プラグについて
◆ RCAプラグ
Ge3ではRCAプラグの装着率が高いのですが、
音が良いからRCAプラグを使っている訳ではありません。
仕方がないと言うのが現状です。^^;
「仕方がない」とは言え、Ge3値の高いプラグを探して使用しています。
最近、インピーダンス特性を主張しているプラグが増えて多くなって来ましたが、Ge3的にはあまり気にしていません。
それよりも「抜けにくい」、「ストレスが消えやすい」プラグが重要だと考えています。
プラグのストレスの有無は方向性どころの話ではありません。
ストレスのあるプラグの音は驚く程、酷い音ですよ。^^;
◆ XLRコネクター
XLRタイプコネクターは出来れば使いたくない音の悪いコネクターだと考えています。
プロ用機器ではXLRタイプしか存在しませんが、
プロがXLRタイプを使うのは、ケーブルの抜き差し時のポップノイズが構造上発生しにくいコトと抜けにくいからだでしょう。
たとえ、足にケーブルを引っ掛けたとしてもXLRだとケーブルは抜けずに、人間の方が転ぶか、機器が落ちます。
プロの世界では音質よりも、音が確実に出ることが最重要なのですw。
イベントで音が出ないと言うのは絶対に許されない訳です。
音の悪い原因は、無駄に大きな躯体だと思います。
これが梵鐘のように共鳴し、それが再生音に乗ってしまうのです。
コンシューマ機器は音だけを追求するのは自由になので、
使わない方が得策だと思うのですが、ハイエンド機器はXLRを使ったモノがほとんどです。
オーディオ マニアは、どうもプロ機器への憧れが強いようで、
プロが使っているXLRタイプは性能が良いと信じているのでしょう。
◆ BNCコネクター
実はオーディオ的に一番良いのがBNCどと思っています。
RCAやXLRと比べるとはるかに構造的な理屈が合っています。
接続も確実だし、まぁ抜け難い方ですし、振動も少ないし、と良いコトづくめです。
その中でも音の良さに一番貢献しているのは、接触部の構造です。
抜き差しに伴うストレスが他のプラグに比べて少ないの訳です。
Ge3でも「銀蛇シールド BNC」というケーブルを作りました。
好評だったのですが、最近状況が変わって来ました。
「銀蛇シールド BNC」では同期が取れない機器が増えて来たのです。
原因はインピーダンスの不整合です。
「銀蛇シールド BNC」においてもシールドケーブルは使わずに、音のために細い銀線を使ってコツコツ手作業で作っています。
それが原因でインピーダンスに幅があり、測定器精度を要求する機器では接続出来なくなるのです。
「音は悪いが同期できるシールドケーブルを使うか?」「諦めるか?」と言う状況なのです。これからも「銀蛇シールド BNC」では同期が取れない機器が増えるのは確実です。
シールドケーブルを使うと同期は取れますが、その音はGe3的ではないため、
「銀蛇シールド BNC」は製造中止にすることにしました。
音の良いシールドケーブルが見つかれば再開します。