聴能力のはなし4
(「聴く能力のはなし3」からの続き)
つる:なんかね、
その、うまくいえないんですけど、
「人類皆平等である」っていうような権利の平等と、
能力の平等は、
違う
っていうこと…ですかね?
…そこまで飛んだ話はしてない、の、かな?
きさ:ン〜と、それは、
みんな平等やって思ってる、ってこと?
つる:そう。
ええと、
「生きる権利は平等にある」みたいな権利の平等が
「誰にとっても良いものである」とされているみたいに、
「貴方が良いものは、私にも良い」ってくくられちゃってて…
例えば音でいうなら、
貴方と私の「聞く能力」が実は違ってて
「良いとする音」も違ってくるのに、
「貴方が良いものは、私にも良い」って思いこんじゃう、ってこと。
きさ:(同じだと)思ってるね。
なんでそう思ってるのか知らんけど。
つる:うん。
きさ:なんでそもそも、他人と同じ能力があると思ってンのかしらんけど…
そんなんやったらオリンピックなんてあるわけないと思うし。
つる:ん〜…そうですねぇ。(苦笑)
きさ:せやからね、
なんかある意味、
人間を工業製品みたいにとらえてるのが文化やねん。
つる:ふ〜ん…
それは、近代の文化、ってことですか?
きさ:多分ね。
つる:ふむ。
きさ:でも、そうじゃなくて、もっと…
我々は原始的な、まだ進化の過程におる生物なんやってことを、
認識しておくべきやろなぁ。
つる:ふうん。
きさ:そんなんもう、「神の領域に近づいた」みたいに
ひょっとしたらそう思っとんのかもしれん。
つる:(苦笑)
きさ:できあがった生物愛や、ってな。
つる:この平等な…「同じもの」だとおもっていることが、ってことですか?
きさ:そうそう。
だから…なんていうのかな…
文明論かもしれんのやけど、
そういう情報を今はスポイルして耳に入ってくるンやと思うんや。
「違いがある」ってことがね。
つる:すぽいる…
きさ:「取り除いて」って意味。
つる:(頷)
きさ:例えば、千人生まれたら、
先天性疾患とか、まぁいろいろ、あんねんな。
つる:ありますね。実際。
きさ:んで、しっぽ生えてる子は、もっと多いはずやねん。
つる:うんうんうん。
きさ:でも、知らんやん?みんな。
つる:うん。(頷)
知らないうちにしっぽはチョン☆とされてる…
きさ:うん。
だから、若い姉ちゃんが
「デビューや!」
つってヌード写真を撮ってお尻写したら
「あ、切った痕がある!!」
ってなんねん。
つる:うん。(笑)
きさ:知らんねん、本人もな。
つる:うん。(苦笑)
きさ:知ってたら「エエーっ?!」ってなることをなんか…
それって大事な話やと思うねんで?
つる:うんうん。
きさ:「違う」という事実を知ってたら、
ほしたら、
みんなで手ェ繋いで走ってゴールしましょう、
なんてことにはならんと思うし。
つる:はっはっはっは(苦笑)
きさ:ほしたらみんなこの一年でこの教科書で九九を覚えなさい、
みたいな話もできひんやん?
つる:(頷)
きさ:三年かかる子もおるやん?
つる:うん。
きさ:でも、二週間で終わる子もおるねん。
つる:おるおる(頷)
きさ:そういうことを全部無視して、「みんないっしょ」って…
なんか工業製品みたいに思いこもうとしてるんやとおもうけどな、今は。
つる:う〜ん…(悩)
きさ:だからウチ(Ge3)なんかが言うてるのは相容れへんねやろなぁ。
<追記>
話はどんどん広がります。
仕方がないですね。
物事はそれ一つで成り立っていないので。