JBL4312Mk2から換えたサンスイのSP-200がどうも芳しくない。
鬼太鼓座が鳴らないのである。 30cm径から20cm径へダウンしたのだから、仕方が無いのかもしれないがGe3値的には上の筈なので許せない。(笑)
常識的には、このSPで鬼太鼓座が鳴らないのは、いわば当たり前なのだが、大太鼓中毒の私にとっては、禁断症状にも似て歯がゆくて仕方がない。
あの大太鼓の皮の振動をもう一度!
飛び散る汗を再び!
この夏まで我が家のメインSPだったJBL4312では、一般的には鬼太鼓座の大太鼓を再生するのは難しいと言われる。
はっきり言って無理と言われるのがおちだ。
ましてや飛び散る汗や震える皮が見えるなんて...
ハイエンドSPでも、サブウーファーやスーパツイータを増設した雑誌記事等でしか、そんな話は聞いたことがない。
JBL4312は、クラシック向きでは無く、JAZZ向きである。これも定説である。
そう言えば、買った河口無線でも聴かせてもらった時に鳴っていた曲はJAZZだった。
極貧の私にとって、○○向きと言うのは非常に都合が悪い。
それはそれは大きな問題なのだ。
何故なら、このSPでJAZZでもクラシックでも歌謡曲でもJPOPでも何でも聴いて、映画まで見ようとの魂胆なのだから。
JAZZ向きなどと勝手に決められるのは、ホント困るのである。
ひょっとすると演歌も聴いちゃうかも知れない訳である。
私以外のオーディオマニアは、そんなに多くの○○専用のSPを持っているのだろうか?
確かにオーディオ用と映画用は分けている人は居るなぁ...
でも私はJBL4312一本で行きたかった。
私達、普通のマニアが持てる道具は、少しばかりの工具と、少しばかりの体力、そして時間である。
まぁ、私の場合は、妙なアイデアが湧き続けるので、ちょうど良い頭の体操である。
こうして私はJBL4312を太鼓を得意科目にすべく改造を始めた。
JBL4312を太鼓専用に改造を始めてしばらくすると、非常に面白い現象に気が付いた。
叩く音にはめっぽう強いSPに変身しつつあった4312は、勝手にギターもピアノも得意になって来ていた。どうやらそれらの楽器も打楽器と思いこんでいるフシがある。(笑)
フラメンコすら床を叩きながら踊るので打楽器演奏と思い込んでいるみたいなのだ。
三味線も叩くように弾く津軽三味線なら当然得意科目である。
やむにやまれず始めた太鼓用のチューニングは、思いがけず間口の広いお得なチューニングのターゲットであった訳である。ラッキー!
我が家の4312のチューニングは功を奏して来ていた。
太鼓の皮の厚みや乾燥の具合、振動の伝わる方向、使用しているバチの固さや材質、そして太鼓そのものが巨大な来をくりぬいて作ったモノで、向こうにも同じように皮が張ってあることが判るSPになった。
勿論、奏者の飛び散る汗は顔を避けたくなるほどである。
この渾身のチューニングSPのJBL4312改は、現在我が家には無い。
次期システムへの移行に沿う形で嫁がせたのであるが、肝心の新システムは導入のタイミングを間違ってしまい、未だ我が家には来ていない。
今あるのはサンスイのSP-200とリアに使っているADVENTのSPだけである。
SP-200は、なかなか立派な音を奏でてくれるのであるが、如何せん太鼓は鳴らない。
鳴るわけがないのである。
太鼓の皮が見えてこない。汗も飛び散らない。指揮者が立ってもいない。
この無い無い尽くし状態でもチューニングすれば出てくるのであろうか?
4312の改造で習得した蛍イカ、茅蜩などのテクニックを総動員してチューンを施してはみた。
確かにSP−200は激変はしたが、まだ太鼓は見えてこない。
4312改には遠く及ばないのである。
私が聴いたことのあるSPで、鬼太鼓座が凄かったのは KRELL LAT-1 だけである。
何故か、この目玉が飛び出すような高価なSPだけが鳴らし切っっていた。
他にも高価なSPは幾らでもあるが、私が望む、見えるような音で再生できたのはこれだけである。
何が違うのか? 何処がどう違うのか?
馬鹿馬鹿しいほど価格の違う KRELL LAT-1とSP-200 との本質的な違いを見つけるため、脳みそが溶けるほど考え続けた。
とにかく考えるしか方法が無い。試作を幾ら作っても行き当たりばったりでは出来るわけがない。
筋の通った理屈が必ずある筈なのだ。
私はSP-200のユニットのフレームを補強することにした。
脳みそが溶けて耳から流れ出す前に閃いたのだ!
■補強作業