レポート by 今井明
今回のイベントはGW前ということもあってか参加人数も少なくゆったりとした雰囲気での進行となったようだ、いつも通り19時に着いたのだが席に余裕がありほぼ中央に座る事が出来た。
その時は丁度新アイテムがシステムにセットされた直後のようでスピーカーの前には怪しげな板状の物がぶら下がっていた。そこから出てきた音は記憶にあるエンゼルポケットの音よりも随分と熱くせまってくるような浸透力の強いものだった。システムはいつも通りのエンゼルポケットで鳴っているもので、ある程度性格は把握しているだけにその熱さは驚きだった。
今回の出し物の一つはスピーカー用の仮想ホーンで、ウーファーの前にぶら下がっていたのは段ボールを適当な大きさに切りその上に「丸」を五つ円周上に接するように並べて接着し、更に並べた丸の上に「ケブタ」を一枚分貼ったものだそうで、すでに掲示板上にて発表済みだが音を披露するのは初めてとのこと。ぶら下げただけで良質のフロントホーンをつけたようになるのが特徴でスピーカーから発した音波を早く球面波の形にするように働き、これはGe3的には良い再生には重要な事らしい。その効果は非常にわかりやすいもので左右片方ずつぶら下げていくと片側だけ低域の伸びと厚みが増すのが即座にわかる、参加者全員の反応もかなり良かったのでやはりわかりやすい変化なのだろう。
個人的には往年の名ホーンスピーカー、ONKYOのGS−1を思い出すような音だったが、一番前でかぶりつきで聞いていた村井さんからはジャズ喫茶のベイシーで出ている音に似ているという声が出た。その時聴いていた曲がたまたまジャズだった事もあるのだろうが見事にはまった感じ(別にジャズに特化というわけではなく音楽に込められた感情があるならばそれがより伝わりやすくなる変化だと思う)。
本日もう一つの出し物である強力なルームチューンアイテムは、なんと同じ仮想ホーン用に作った五つ丸+ケブタを壁にぶらさげるだけであった! 壁から向こう側にホーンが音を吸い込んでしまうようなイメージだそうで、通常の部屋ならば「繭」を使わなくてもこれ一つで室内音響的には問題がないぐらいの強力なものらしい。実際に聞いてもその変化は大きく、四方の壁のどこかに近づけておいておくだけでそちらからの反射が感じられなくなる事がわかる。特に面白かったのは天井に貼り付けている繭の替わりに吊った時で、まるで天井から音が降ってくるように感じて思わず見上げながら聴いてしまった。後日自宅で試した時には普段は繭丸を五つぶら下げていたのだが、それらを外してセンターラックの機械の上に五つ丸+ケブタを置いて好結果を感じそのままのセッティングとなった。
更にもう一つのルームチューン用の試作として「トドメ」の室内音響用のようなもの?も登場した。効果としてはより静けさと滑らかさが向上するように感じたが変化は仮想ホーンの方が大きく感じられた、まあ試作段階なのでこれからまた練り上げられていくことを期待したい。
今回は余りにその変化が大きくわかりやすかったので、普段なら何度かつけたり外したりで試聴をするのだがその繰り返しがほとんどなく、異例の速さでイベントの予定内容が終了してしまった(普段なら大抵時間ぎりぎりか少しオーバーするのだが)今回の仮想ホーンはスピーカーボックス内にぶらさげたら簡易的逆ホーンになるか質問してみたところ、完全ではないが面白い働きをするのではないかと回答をもらったので余裕が出来たら試してみたいものだ。
形や製造の都合など、本格製品化にはまだ少し時間がかかるようだが他用途に使える仮想ホーン、今から大いに期待して資金を貯めておく価値はあると感じられた。
最近は自分のシステムにそれなりに満足して落ち着き気味のため、何か面白いものはないかと各イベントを物色中。音楽の好みは多彩だが、中心は洋楽や ジャズの女性ヴォーカルなど。その場で歌っているような臨場感を求めて既製品に飽き足らず自作をしながらオーディオと音楽を楽しんでいます。