施工例:LCC-M3(エルシー電機)のGe3チューンに挑戦 by kisa

2003/10/28

株式会社エルシー電機さんのスピーカ・システムは知る人ぞ知る音の良いSPとして、その筋では評判のSPと聞きます。今回そのエルシー電気さんのLCC−M3をチューンニングする機会を頂きました。

■LCC-M3への対策

比較的小型で見かけはPRO様の趣があります。
25cmウーファをメインに、スコーカ、ツイータなどオール・コーン型で、音色の統一をかなり意識した音作りを感じます。丁寧な感じで良いですね。
全体の雰囲気としては、先にチューンさせて頂いたマランツのPRO用モニターに通じるモノを感じます。ヒョットしてこれは親戚なのかも知れません。
チューン前の寸評としてはレスポンスの良い爽やかな音色です。
チューン前のユニット達です。
過度な作りも無くシンプルなユニットですね。
先ずはユニットを真っ青にしちゃいました。
ユニットが塗って欲しそうな所にProjectQ塗ります。雑に塗っても効果は変わりません。適当に塗ります。
ProjectQを塗るとフレームが丈夫で上質に変わります。クライオ処理したのと似た感じです。
先ずはコーン紙の補強と分割振動を少なくさせるために黒アゲハをはります。25cm径なので4枚で十分です。「黒アゲハが見えるのはどうも...」と言う方は、裏から貼ってください。効果は変わりません。
そしてヒグラシを装着します。磁気回路の大きさを見ると「ヒグラシ」は3個か4個です。今回は3個にしてみました。
ヒグラシを付けると1個当たり4kgの真鍮製のオモシを付けた様になります。これで強力なインパルスにも負けないハイスピードなウーファに変身します。
樹脂製のパッキンを剥がして、麻紐によるパッキンに変更しました。これは通称インカ巻きと呼んでいますが想像以上に大変ですよ。効果は音色が明るくなります。
13cmのフルレンジをスコーカーとして使用しています。
フレームにProjectQを塗り、麻紐インカパッキンも忘れずに!
黒アゲハは1/2に切ったモノを4枚、裏から貼りました。ヒグラシはマグネット部に2個です。
これもスコーカの写真です。
ヒチリキを3個フレームの振動板に近い所に貼りました。高域の不要な振動が減り全体に渡っての透明感が増します。
ヒチリキも表に貼っても、裏から貼っても効果は同じです。見た目も大事とお考えの方は、裏から貼りましょう。
7cmのコーン・トゥイーターにも、麻紐インカパッキンです。
面倒な場合は、インカ巻きでは無く、グルグルと渦巻状に貼り付けても良いです。
ツイータにはヒグラシ1個で十分です。
ヒチリキは2個付けました。
スペースが少ないので、後ろに付けるのは難しいですね。
ウ ファーのセンターキャップに、琴引を1/2に切ったモノを6枚、放射状に貼りました。センターキャップはコーン紙の補強が主な役割ですが、これが分割振動 して不要な高域ノイズを発生させているようです。かなり音を濁らせているので、ここに貼ると大きな効果が得られる場合が多いです。
スコーカー、トゥイーターのセンターキャップにも、琴引を貼ります、この貼り方は通称:ウルトラマン貼りと言います。顔に似ていませんか?
トゥイーター振動板に琴引を貼ります。最高域のffにも砕けない澄んだ高域を再生します。
エッジとセンターキャップに触れないような長さで、4枚貼ります。
うむ...
シンプルなネットワークですね。
コンデンサー側面にProjectQを塗りました。コンデンサーに塗る場合は脇に塗ります。他は駄目です。
フレームには麻紐インカ巻きです。
内部配線には、まとめて蛍イカを取り付けました。
ユニットの性能を限界まで引き上げ、不要振動を減らせたので、必要悪の吸音材は不要です。
完全に撤去します。
吸音材が無いSPは音色が一段と明るいですね。
従来の吸音材は全部抜きますが、定在波が残っているといけないので、念のため定在波吸収用にリプトンの三角パックを中央にぶら下げます。中味の紅茶は入ったままでOKです。この程度の箱なら3つで充分ですね。
また、両側板に3個、黒アゲハを貼ります。
前後バッフルにも1枚づつ貼ります。
これは板の分割振動を減らす為に有効です。仮想的な補強ですね。
スコーカーバックキャビティーに、黒アゲハを1枚貼ります。これも補強用に使っています。
そしてリプトンを1個です。
チューニング完了!!
外観は、あまり変わりませんが、音は激変です。
リニアリティーが向上し、エッジが立ち、中低音の質、量共に改善されました。
オーナーのOさんもご満足頂けたようで万歳です。\(^o^)/
どうも、おおきにm(__)m