音像の出現2 位相について

■ 位相について

音の発生するとろから考えてみると…

木を「コツン」と叩くと、そこから音は同心円状の球面波として空気中を広がり、
そして平面波に変わり、やがて消えます。
音は点音源から発生して、球面波として広がり、そして平面波になる訳です。
殆どの音は3〜5mくらいで球面波から平面波に変わるようです。

その距離を調べてみると…
3m シンバル
3m バイオリン
5m 大太鼓
5m ピアノ
3m 笛

球面波から平面波への変化は、急激なモノではなく、段々とボヤケて交わってゆくように変化します。

つまり3mくらいまでは位相差を利用できるますが、それ以上は使えなくなるのです。
位相を利用した検知性能の精度は素晴らしいものがあり、かなり正確に位置や大きさが判るようです。3m以上は音の強弱を2つの耳で判断し、その精度はアヤフヤなレベルになってしまいます。
特に感度の高い人の探知能力のGe3値を調べてみました。

127p 位相での検知
106p 強弱での検知

この様に感度にも差がカナリあるようです。

 

人は3m以内の音に対しては位相の差を検知して、音源の方角や大きさをカナリ正確に知るコトが出来ます。
中には視覚化に近い感覚を持っている人も存在する可能性もありますが、当人は皆同じだと思っているので改めては言わないでしょう。
勿論、判らない人には何も判らないままですが… ^^;

3m以上の検知は、それに比べるとアヤフヤと言えます。

この考え方を進めると、色々なコトも判ってきます。

音像の知覚には球面波である必要がある。

つまり、最初から平面波の音だと実体を検知する情報が欠けている訳です。
ここに平面駆動型の音像は鮮明だけど実体を感じない理由があります。
面白いことに、最新のクオードは平面波をコントロールして、わざわざ放射線状(球面波)に変える工夫をしているそうです。
この件について知っている訳ですね。

圧倒的な繊細感はコンデンサー型など平面型のSPの最大の特徴でしたが、現在ではこれを超える繊細感を実現したダイナミック型のSPが存在します。
既にヘッドフォンでは繊細感はコンデンサー型だけの特徴とは言えない状況です。

コンデンサー型の繊細感の優位性は判ってはいても、実体感の無さゆえに、利用する人は一部だけに留まっていました。でも熱烈なファーンが存在したと云うことは、実体感を気にしない人達の存在を示唆しているのかも知れません。※20%はいるそうです。

今後は、自分の感性を判った人達は、実体感の再現性がSP選びの重要なポイントになってくるでしょう。しかし潜在的に判らない人がいるのも事実です。

音像とは、この音からサイズや位置だけでなく、形状や質感も判るイメージを指すのだとのだと思います。

これらのコトから判るのは、判る人達の重要項目は位相特性だと云うコトです。

位相特性の良いSPを選ぶコトは勿論、システムも位相を考慮したモノにしなければなりません。また、チューンを位相特性を良くする方向のチューニングでなければなりません。それが浸透力の強い音に繋がります。

 

音像の出現2 位相について」への3件のフィードバック

  1. 最近ヘッドフォンを使って電車の中や歩きながら音楽を聴く人が増えています。
    これは、音の位相検知能力を落とすことにつながらないのでしょうか?
    私はそれが恐ろしくてヘッドフォンオーディオには手を出せずにいます。
    例え電車の音や車の音もなるべく音として感じ、常に何処から音がするかを常に意識したトレーニングを続けることが必要なのではないでしょうか?
    それとも位相検知能力は先天的な才能でしょうか?

  2. トレーニングでは変わらないみたいです。
    DNAに書かれているのでしょう。
    でも「学習の効果がDNAに記録される」って話もあるし…
    シツコク聞いても”上”的には学習効果は出ないそうです。^^;

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